公開: 2021年4月25日
更新: 2021年5月14日
1990年、センジ(P. Senge)は、The Fifth Disciplineと題された書籍を出版し、企業組織における「組織学習」の重要性を述べた。組織学習とは、人工物である組織が、あたかも生物であるかのように学習を続けることで進化できることを述べた理論である。
人間は、経験から学び、自分の思考や行動を変えることで、外界の変化に適切に対応することができる。これは、程度の差こそあれ、生物全体に共通した性質である。しかし、無生物である機械は、そのような学習をしないため、一定の時間が経過すると、適切に機能しなくなる。
センジは、従来は機械のように働いていた人間の組織も、21世紀の社会の中では、組織が経験したことに学び、その動きを変えられなければ、淘汰され、捨てられることになると警鐘を鳴らした。特に、労働力の流動性が高い米国社会の組織は、その組織に属している人間が変わると、知識が変わる傾向が強く、淘汰され易いと警告した。
The Fifth Discipline: the art and practice of the learning organization, P. Senge, Currency, 2006